日本臨床外科学会雑誌
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症例
卵巣への穿通が疑われたMeckel憩室炎の1例
竹内 瑞葵中川 真理福島 登茂子竹内 悠二大谷 泰介松尾 亮太
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キーワード: Meckel憩室炎, 腹腔鏡手術
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2019 年 80 巻 4 号 p. 739-744

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抄録

症例は55歳の女性で,1週間持続する右下腹部痛を主訴に来院した.腹部単純CT検査にて右骨盤腔内に約25mmの周囲脂肪織濃度上昇を伴った嚢胞性病変を認めたが,虫垂の同定はできなかった.炎症所見は軽度だったが,腹腔内膿瘍もしくは婦人科疾患を疑い入院加療とした.入院翌日に右下腹部痛の増強と腹膜刺激症状を認めたため,緊急審査腹腔鏡を施行した.骨盤腔や右傍結腸溝周囲に膿性腹水が充満し,終末回腸近くにMeckel憩室を認めた.憩室先端は卵巣と膿瘍を形成し,一部虫垂との癒着を認めた.Meckel憩室炎による限局性腹膜炎と判断し,憩室切除と腹腔内洗浄ドレナージ,虫垂切除を施行した.病理組織標本では卵巣と癒着していた憩室先端は全層に渡る壊死を認めた.病理組織学的な憩室粘膜上皮の脱落,壁構造の断裂と臨床所見からMeckel憩室炎の卵巣への穿通が疑われた.

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© 2019 日本臨床外科学会
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