日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝円索経由で血栓除去を行った特発性門脈血栓症の1例
吉田 智幸小暮 正晴大森 春佑後藤 充希松木 亮太阪本 良弘
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キーワード: 門脈血栓症, 肝円索, 臍静脈
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2025 年 86 巻 8 号 p. 1075-1081

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抄録

特発性門脈血栓症は門脈内に血栓を発症する原因不明の疾患で,抗血栓療法の適応となるが,広範に血栓を生じた場合の死亡率は20%と報告されている.広範な門脈血栓症と腸管壊死を伴った36歳の男性患者に対して,肝円索経由で門脈内に留置したカテーテルから持続的に血栓治療を行い,救命した症例を経験した.入院後速やかに全身的な抗凝固療法を開始したが血栓の改善はなく,空腸の虚血性変化を認めたため開腹した.肝円索を経由してカテーテルを門脈内に留置し,上腸間膜静脈,門脈本幹,左右門脈枝の血栓を吸引除去し,壊死した空腸を部分切除した.カテーテルは上腸間膜静脈内に留置したまま閉腹し,術後にカテーテルから持続抗凝固療法を行った.一時的に呼吸不全・腎不全・肝不全を合併したが軽快し,第37病日に退院した.肝円索経由のカテーテル留置は術後の血栓治療にも有用であり,全身的な抗凝固療法に抵抗性の門脈血栓症には有用な治療法である.

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