本研究では,都市緑地での枝葉の元素濃度と分解特性の変化を明らかにするため,都市化の影響をほとんど受けていない山地域と都市域で共通して生育していたイヌシデを対象に周囲の道路面積率,土壌の化学的性質,枝葉の元素濃度と分解特性を調査した。その結果,山地域と比較し都市域では土壌への交換性塩基の量が増加し,枝葉の窒素濃度とマンガン濃度が増加し,ひいては枝葉の分解特性にも影響を与えていることが明らかとなった。つまり,都市環境では枝葉の前期の無機化率は促進され,後期の無機化率は抑制されるため,都市緑地における土壌有機物の質が変化することが推察された。