抄録
前報では, Washbornの変形式を導びき, 粉炭そのものの水ぬれ性を浸透速度法で測定できることを明らかにした。
本報では, その分析値に特徴をもつ18種類の海外炭を入手し, 浸透速度法で水ぬれ性を測定した。その結果, 次の結論をえた。
1) 浸透速度法は, 幅広い海外炭に適用できた。
2) 海外炭は, 分析値の差が非常に大きく, その表面特性も水に非常にぬれやすいものからまったくぬれないものまで, その差は著しかった。
3) 石炭の水ぬれ性と含有水分量 (I.M.) には正比例の関係があった。また, その傾向はやや弱いけれど, 石炭の水ぬれ性と揮発性物質 (V.M.) 含有量に正比例傾向が, 灰含有量又は, 固定炭素 (F.C.) とは反比例の傾向が認められた。すなわちI.M.が多く, V.M.の多い比較的若い石炭は, 水にぬれやすいことがわかった。