油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
Penicillium aurantio-virensの生産する酸化防止剤, aurantiononeについて
石川 行弘守本 京三佐田 拓郎藤原 隆二
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1992 年 41 巻 11 号 p. 1107-1110

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抄録

Penicillium aurantio-virens と同定された菌株の培養濾液から単離されたaurantionone は phenalenedione骨格を有する新規物質で, 優れた酸化防止剤でありトコフェロール (Toc) の相乗剤であることが分かった。
自動酸化条件では, ラード中でTocと顕著な相乗性を示し, また植物油を安定化させた.aurantionone (0.05%) をラードに添加して180℃で25h熱処理しても, ラードの安定性は高く保持されており, Toc (0.04%) と共存する場合には, Toc の熱分解を著しく抑制した。
本物質はSalmonella typhimurium TA 98, TA100 を用いてAmes 試験したとき, ラット肝S 9 ミックスの添加, 未添加にかかわらず変異原性を示さなかった。

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