油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
アミノリゾレシチン型マクロマーの合成と重合
大勝 靖一鈴木 栄次草野 邁
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1992 年 41 巻 6 号 p. 465-471

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抄録
生体膜が主にリン脂質とタンパク質からなることは知られている。本研究では, 生体膜類似の薄膜を製造するために, 新しいアミノリゾレシチン型マクロマーをデザインしかつ合成した。このマクロマーは2つの官能基を有する合成リン脂質の1種である : 1つは膜を強化するビニル基であり, 他はポリペプチド鎖を導入するための開始点を提供するアミノ基である。このマクロマーは水中において小さい, すなわち直径100nmのリポソームを生成した。またマクロマーそれ自体はポリソーム形で重合しなかったが, N, N-ジメチルアクリルアミドの存在下にそれと共重合した。このビニル重合した共重合体には, γ-ベンジル-L-グルタメートのNCAを用いることによってポリペプチド鎖を導入することができた。このペプチドのグラフトした共重合体は水中でリポソームを形成することができた。
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© 公益社団法人 日本油化学会
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