抄録
中性子小角散乱法の概要と界面活性剤会合体系への応用例について解説した。小角散乱法は数10から数100Åのディメンジョンを有する構造調査に有力な手法であるが,ミセル会合体系に関しては,ミセル粒子の大きさと形,溶液構造,粒子間相互作用,相挙動などに関する情報を定量的に与える。特に中性子小角散乱法では同位体元素を用いるコントラストバリエーション法が可能となり,X線小角散乱法では困難な粒子の内部構造や部分構造を知ることができる。種々の界面活性剤ミセルおよび高分子ミセルの構造解析への最新の応用例を紹介した。