日本油化学会誌
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土佐湾におけるマルソウダの脂質含量とその脂肪酸組成の周年変化
北村 有里野村 明和田 俊
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1996 年 45 巻 11 号 p. 1267-1270

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抄録
宗田節に向かない脂質含量の多いマルソウダを有効利用するためにマルソウダの脂質含量, 脂肪酸組成及び脂質クラスについて調べた。脂質含量は周年にわたり, 眼窩が30~65%と最も多く, 生殖腺は2%以下と最も少なかった。眼窩, 腹側普通筋及び背側普通筋には, 9月に減少する周年変化がみられた。その他の組織ではほぼ一定の脂質含量であった。全組織でオレイン酸, DHA及びパルミチン酸を主要脂肪酸として含んでいたが, その組成は各組織で異なり, また時期によっても相違が見られた。全ての組織でDHAは15~30%, EPAは10~20% 含有されていた。6月に漁獲されたマルソウダの眼窩, 腹側普通筋及び背側普通筋では, トリアシルグリセリンが主成分であったが, 生殖腺, 肝臓及び血合筋ではリン脂質を多く含んでいた。
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