日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
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電気化学的ハロホルム反応メチルケトン類からエステル類への効率的変換
松原 義治藤本 和男前川 博史西口 郁三
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1996 年 45 巻 2 号 p. 147-153

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抄録
脂肪族, 芳香族およびα, β-不飽和系など種々のメチルケトン類を臭化ナトリウム (または臭化リチウム) を含む無水メタノール (またはエタノール) 中にて, 陽陰極として炭素棒を備えた無隔膜セルを用いて電解すれば, ホロホルム型反応が容易に起こり対応するカルボン酸のメチルエステル (またはエチルエステル) が好収率で得られた。反応では陽極酸化により発生するプロモニウムイオンがメディエーターとして重要な働きを果たしていると思われる。一旦生成するプロモホルムが陰極での容易な還元により揮発性の高い物質に変わり, 反応終了時に混合物中にほとんど存在しないことは, 反応操作上極めて高い簡便性を与える。更に, 芳香環やオレフィン結合への簡便で効率的なカルボアルコキシ基の導入が, 最初のフリーデル・クラフツ反応により, 容易に可能であることを示した。
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