最近, γ-カルボキシラーゼの補助因子であるビタミンKが骨代謝を調節していることを示唆する論文が, 多数報告されている。ビタミンK2, そのうちイソプレン側鎖4個を持つメナキノン4は, 骨吸収抑制作用と石灰化促進作用の二つの作用を有すが, ビタミンK1は石灰化促進作用のみである。骨代謝における二つの重要な作用を持つメナキノン4は, 最近新しい骨粗鬆症治療薬として開発された。
本総説では, これまで明らかにされたビタミンKの骨代謝におけるメカニズムを述べるとともに, 骨代謝以外でのビタミンKの作用にも言及する。