日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
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飽和脂肪酸のメタノリシスにおける圧力効果
田口 洋一大石 晃広池田 嘉一藤田 賢一
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1998 年 47 巻 11 号 p. 1261-1264,1281

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抄録
脂肪酸のメタノリシスにおける圧力効果が研究された。酪酸, ラウリン酸, ミリスチン酸のメタノリシスは圧力により単調に促進されたが, パルミチン酸メチルやステアリン酸メチルの収率は極大点を持った。より高圧ではパルミチン酸やステアリン酸の圧力効果に大きな違いがみられたが, 0.4MPaから200MPaの範囲の圧力効果はすべての脂肪酸で類似の傾向を示した。パルミチン酸とステアリン酸のメタノリシスにおける最大収率が得られる圧力は酸の濃度が薄くなるに従ってより高くなった。1200MPa, 70℃での飽和脂肪酸混合物のメタノリシスではラウリン酸メチルは66%の収率で得られたが, ステアリン酸メチルはわずか1%しか生成しなかった。
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© 公益社団法人 日本油化学会
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