日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
Print ISSN : 1341-8327
ISSN-L : 1341-8327
乳化技術の進歩
小久保 貞之桜井 一美
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 48 巻 10 号 p. 1177-1184,1203

詳細
抄録
界面活性剤を含めた乳化技術は, 現代生活に幅広く利用されている。ここでは牛乳・乳製品に関連した乳化技術, さらに新しい乳化法として膜乳化法 (Membrane emulsification system), 高圧乳化法 (High pressure emulsification system), およびその素材として高純度ポリグリセリン脂肪酸エステル (Highly purified polyglycerol fatty acid ester) について述べる。
クリーム, アイスクリームは, ホイッピィングやフリージング工程で脂肪球の凝集を進める。それで脂肪球の骨組みを作り, 気泡を安定に保っているが, この脂肪球凝集の度合いをコントロールする製造条件が重要である。
新規技術として注目されている膜乳化法は分散粒子径をコントロールでき, かつ単分散性の良いエマルションが調製可能な乳化法である。高圧乳化法は連続的に効率的に安定な乳化状態を作るのに適した乳化法である。また高純度ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することにより油性のフレーバー, カラー, ビタミンなどを透明化可能にした。
著者関連情報
© 公益社団法人 日本油化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top