日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
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植物ステロールを含むジアシルグリセリンの血中コレステロール低下作用
後藤 直宏森 秀樹桂木 能久戸井 知子安川 拓次島崎 弘幸
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1999 年 48 巻 3 号 p. 235-240,260

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抄録
植物ステロールは古くから医薬品として使用されており, 血中の総コレステロール (T-Ch) 値を低下させることが知られている。今回我々は, 植物ステロールを含むジアシルグリセリンのT-Ch値低下効果をヒト臨床試験により調べた。その結果, 400mgの植物ステロールを含むジアシルグリセリン10gを4週間摂取した場合に, 有意にT-Ch値が3.4%低下し, さらにLDL値が6.5%低下することが判明した。またその有効率は67%であった。植物ステロールの1日400mgの摂取はこれまで報告されている量と比較すると最も低い値であり, 共存するジアシルグリセリンの効果がT-Ch低下作用に起因している可能性が示唆された。
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