日本油化学会誌
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5-メチル-2-フェニル-2-ヘキセナールとその類似化合物を出発原料としたトルイル酸エステル誘導体の合成とそれらの生物活性評価
生理活性物質の合成に関する研究 (第20報)
野村 正人山川 恭弘立花 伸哉藤原 義人服部 文弘下村 健次
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1999 年 48 巻 4 号 p. 339-346,365

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抄録

アメリカ・アイダホ (Idaho) 産のジャガイモ中から見いだされた5-メチル-2-フェニル-2-ヘキセナール (1) は拡散性と保香性を持ち合わせていることから, 香料素材として使用されている。そこで, 著者らは生物活性物質合成に関する研究の一環として, (1) とその構造が類似している化合物である4-メチル-2-フェニル-2-ペンテナール (2), 2-メチル-4-フェニルペンタナール (3) および2-メチル-2-ペンテナール (4) から誘導した新規化合物の用途開発を目的に本研究を行った。すなわち, それぞれの出発物質 (1) ~ (4) を対応するアルコール体に変換したのち, o-, m-, p-トルイル酸クロリド類との縮合反応を行い, 得られた化合物について, 化粧品への配合を目的とした美白用薬剤としての活性阻害試験と水田雑草, 畑地雑草に対する除草活性試験を行ったところ, それぞれの分野で使用可能な化合物を見いだすことができた。

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