日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
ニワトリに対する単細胞蛋白質源の消化率, 生物価および代謝エネルギーについて
横田 浩臣奥村 純市佐々 幸成
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1976 年 13 巻 4 号 p. 124-128

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抄録
ニワトリの蛋白質飼料としての単細胞蛋白質の栄養価を人工肛門を装着した6ケ月齢の白色レグホン種雄12羽を用いて実験した。単細胞蛋白質としては, 酢酸資化酵母 (酵母A), その脱核酸品 (酵母B) および糖蜜資化酵母の脱核酸品 (酵母C) の3種類を用いた。1酵母飼料あたり4羽を用い, 1日1回1羽あたり80gの酵母飼料を7日間給与し, 後半の3日間に糞および尿を集めた。これに続いて内因性窒素を測定するために無蛋白質飼料を給与し, 同様に糞および尿を集めた。実験に供した無蛋白質飼料の組成は飼料1kg当り, コーンスターチ814g, 大豆油80g, アルミニウムシリケート10g, セルローズ15g, 寒天粉末10gおよびミネラル•ビタミン混合物71gであった。用いた酵母の粗蛋白質含量 (N×6.25) は, 酵母Aで58.3%, 酵母Bで52.8%, 酵母Cで50.9%であったので, 酵母飼料の蛋白質含量を10%にするために無蛋白質飼料のコーンスターチを酵母A飼料では171.5g, 酵母B飼料では189.5g, 酵母C飼料で196.4gをそれぞれの酵母で置換配合して作成した。飼料はすべてペレットとして給与した。
1) 酵母飼料給与により体重は3群とも1日あたり5~11g増加し, 無蛋白質飼料給与により2g減少した。酵母Aを給与した群は糞中への窒素排泄は他の酵母を給与した群に比べて少く, 見かけの消化率および真の消化率ともに高かった。しかしながら酵母B, Cともに見かけの消化率で76%以上を示した。
2) 酵母Aの尿中への窒素排泄は他の酵母に比べて高く, 生物価は77%となり酵母B, Cに比べやや低かった。
3) 正味蛋白質利用価 (真の消化率(%)×生物価(%)/100) は3つの酵母ともほとんど同じで66~69%となった。
4) 糞中へのエネルギー排泄は, 酵母Aでは酵母B, Cに比べて少なかったが, 尿中へのエネルギー排泄は3者とも同じであった。代謝エネルギーは, 酵母Aが3.84と高く, 酵母B, Cはやや低くなったが, 3つの酵母とも3.0以上を示した。
5) 以上のように, これら酵母は消化率, 生物価, 正味蛋白質利用価および代謝エネルギー価において, 家禽飼料に主に使用されている蛋白質源の中では, 魚粉, 大豆粕等の成績とほぼ等しく, 家禽の飼料原料として良質の蛋白質およびエネルギーを供給できると考えられる。
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