抄録
飼料中のカナマイシン含量を20, 1,000, 4,000, 8,000および16,000μg力価/gの5段階として産卵鶏に7日間与え, 7日目の卵のカナマイシン含量を, Bacillus subtilis ATCC6633による微生物学的定量法により測定した。また, 16,000μg力価/gを7日間与えた40羽には, その後7日間カナマイシン無添加飼料を与えて, そのうち5羽の産んだ14日間の卵の分析を行なうとともに, 無添加飼料給与後, 0, 1, 2, 3, 5および7日目にそれぞれ5羽ずつ殺して肝臓と胆嚢を採取して分析に供した。
卵白からはカナマイシンは検出されなかった。また, 20および1,000μg/gのカナマイシンの給与区の卵黄からも検出されなかった。
1,000μg/g以上のカナマイシン添加飼料の給与期間中において, 卵黄中のカナマイシン含量は, 飼料中のカナマイシン含量およびその給与期間に比例して増加した。
カナマイシン給与中止後2日間は, 卵黄, 肝臓および胆汁中のカナマイシン含量は, 増加するかほぼ一定値を保ち, その後は指数曲線的に減少した。産卵鶏の体内の残留カナマイシンの消失経過は, これまでに検討した他の抗生物質とは異なっていて, 経過を説明するために3区画モデルを適用することが論議された。