2022 年 3 巻 J2 号 p. 85-91
本研究は,周期性を有するデータを対象として深層学習モデル(DNN)による予測を行う際に,前処 理の段階で周期的な特徴量を抽出し,入力データに追加することで予測精度の向上を図る方法の提案である.提案する前処理の方法では,フーリエ変換・逆変換を用いてデータの周期的な特徴量を抽出・生成し,新たなデータの追加を行う.本方法について,周期性を有すると考えられる排水機場の調整池の水位を対象として検証を行った.約8年間の実測水位から,1日と半日の周期的な特徴量が得られた.これらの周期性データの追加の有り無しによる水位予測結果の比較を行ったところ,周期性データの利用によりリードタイム(LT)1-6 hの場合に,二乗平均平方根誤差は3-5%改善され,本方法の有効性が確認された.さらに,実用化の観点から,将来データに適用したLT1-6 hの予測結果では,高々4%の誤差の改善が見られた.