2026 年 5 巻 1 号 p. 174-182
我が国の道路橋における技術基準は,2001年度以降,基準変遷の中で性能規定化され,新設橋のみならず,既設橋の補修時においても性能確保の観点での計画・措置が求められている.性能に着目した補修計画は浸透しつつあるが,部材単体での性能評価が主体的で,損傷進行により構造単位でどのような壊れ方をするかも含めて評価した上で計画した事例は少ない状況である。
そこで,本稿では,竣工年の古いプレストレストコンクリート(以下,PC)T桁橋について,橋の状態把握や構造単位も含めて性能を評価した上で,補修計画を立案した事例を紹介する.また,性能評価が困難な部材に対して,現状よりも性能を低下させない措置に加え,万が一性能が低下した際の橋の状態を想定した上で,それを察知するための日常点検も併せた補修計画を立案した事例を紹介する.