土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第55巻
下水汚泥の高濃度嫌気性消化における余剰汚泥前処理の効果
髙島 正信中尾 総一
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 74 巻 7 号 p. III_187-III_194

詳細
抄録
 下水汚泥の全固形物質(TS)約10%および約15%の高濃度嫌気性消化において,余剰汚泥部分に前処理を組み合わせ,消化性の改善とアンモニア阻害の低減について実験的に検討した.前処理は,流入TS約10%は加熱処理(130℃,1時間),約15%は加熱処理に続けてアンモニアストリッピング(約80℃,初期pH約9,3時間)とした.前処理が組み合わされると,両流入濃度ともVS分解率は約4%上昇したが,メタン発生率の向上はわずかだった.流入TS約15%では,アンモニアストリッピングによって消化汚泥中アンモニア性窒素が平均約3,100mgN/Lに抑制されたことが良好な運転につながった.よって,余剰汚泥の前処理を用いれば,流入TS約15%まで高濃度嫌気性消化の可能なことが示された.
著者関連情報
© 2018 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top