抄録
本研究は,生ごみと紙の混合ごみからエネルギーを回収することを目的とし,高温条件における完全混合型反応槽を用いた連続メタン発酵実験を行い,生ごみと紙の混合メタン発酵に及ぼす滞留時間の影響を考察した.C/N比を固定し,滞留時間を30日から5日まで変化させ,長期的な運転におけるプロセスの安定性,バイオガス収率および有機物分解特性を評価した.その結果,滞留時間が7.5日まではプロセスの安定運転が可能であり,生ごみと紙の混合ごみを原料としたメタン発酵によるエネルギー回収の可能性が明らかになった.TS,VS,COD,炭水化物のそれぞれの分解率は滞留時間が30日の条件で,それぞれ78.1%,79.0%,78.9%,91.5%と高い値が得られた.また,プロセスの運転が安定していた時,滞留時間にかかわらず各有機物分解率に顕著な差は見られなかった.バイオガス生成速度は有機物負荷に比例して増加する傾向が見られ,滞留時間が7.5日の時に8.51L/L/dとなった.滞留時間が5日の条件ではプロピオン酸の生成が始まり,揮発性脂肪酸の蓄積によりプロセスが酸敗した.