2019 年 75 巻 5 号 p. I_339-I_350
気候変動に伴う海面上昇への適応策として,亜熱帯・熱帯などでは海岸線に分布するマングローブ林をグリーンインフラとして活用した海岸防護が行われており,堤防などの社会基盤(グレイインフラ)と組み合わせることで効果的に防護できるとされている.しかし,これまで局所的なマングローブの効果を検討する研究事例はあるものの,より広域な影響評価や長期にわたる適応効果評価がなされていなかった.そこで,マングローブ林の分布する112の国と地域を対象に全球規模の評価を展開した.その結果,全球規模ではマングローブ活用が有効である一方,国別では自然や社会経済の状況によってその有効性に相違があることが示された.