土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第57巻
浄化槽処理水へのUV-LED適用による衛生指標生物の不活化効果
塩原 拓実蛯江 美孝柿木 明紘山崎 宏史
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2020 年 76 巻 7 号 p. III_243-III_250

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抄録

 現在,浄化槽の最終工程では塩素消毒がなされているが,その塩素による放流先での影響が懸念されている.近年,UV-LEDが開発されたことから,小型浄化槽への適用について検討を行った.本研究では,浄化槽処理水に含まれる大腸菌群,大腸菌,腸球菌の3種の衛生指標生物を対象に,UV-LEDによる不活化効果の検討を行った.その結果,3種の衛生指標生物ともUV照射量の増加と共に不活化効果は増大するが,その効果には相違があり,特に腸球菌に関しては,大腸菌群,大腸菌より不活化効果は低かった.また,浄化槽槽内水におけるBOD濃度と280nmの吸光度は正の相関を示したことから,UV照射前の処理工程にてBOD濃度を低減することや消毒槽の水深を浅くすることは,UV照射効率が向上するため,浄化槽処理水へUV-LEDを適用する上で重要な因子の1つであると考えられた.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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