2022 年 78 巻 5 号 p. I_263-I_269
河川における濁りの観測は,土砂動態や河川環境の把握のために重要である.しかし,濁りは出水時に生じることが多く,観測機器の破損や観測実施者の安全性などにリスクを有する.非接触で濁度を観測する手法が開発できれば,それらのリスクを回避できる.そこで本研究では,河川を連続的に撮影した画像から取得した色情報を機械学習に用いて濁度が推定可能か検討した.その結果,色情報のみでは,従来手法である流量と負荷量との関係式L-Q式をベースにした手法より精度良く推定することが難しいことが示された.一方,水位データを加えることで,L-Q式ベースの手法による推定値よりも改善できることが示された.さらに,色情報と水位,光条件を加えることで,出水における水位上昇と濁度上昇に差が生じるヒステリシスを考慮できる可能性が示唆された.