2022 年 78 巻 6 号 p. II_251-II_263
急速な人口減少などによる厳しい財政状況を抱える地方域では,ごみ焼却施設の更新を見据え,持続可能な廃棄物処理システムへのトランジションを描き,地域実情に応じた廃棄物処理体制のありかたを事前に検討することが求められている.本研究では,複数のごみ焼却施設更新を契機として,紀の川流域を対象に,単なる従来の広域化ブロックの集約化を超えて,既存処理施設の改修による中継施設への機能転換とバイオガス化施設の導入を組み合わせつつ,ブロック内市町が互いに連携し協働する,広域・協働化シナリオを提案し,そのGHG削減効果と事業性を評価した.分析の結果,それぞれの主体がごみ処理の拠点にバイオガス化施設と中継施設を導入したうえで,広域化ブロック内外の発電効率が高いごみ焼却施設でごみを集中処理する協働体制を構築させることが重要であり,そうした構築が実現した場合にはGHG削減効果と事業性を向上させることを定量的に明らかとした.