2003 年 6 巻 5 号 p. 490-493
症例は30歳,女性。平成■年■月はじめよりPTP,ホッチキスの針,釘,フォークなどの異食を始めた。■月■日に腹痛のため近医に受診し,腹部X線にて消化管異物を指摘された。■月■日,腹痛が増強したため当院救急部を受診した。理学的所見,X線,CT,血液検査所見などからイレウス,腹膜炎を疑い緊急手術を施行した。開腹したところ,異物を手拳大の塊として胃内に触知した。異物除去のために胃壁を電気メスで切開したところ,閃光を伴う小爆発があった。さいわい胃を含む腹腔内臓器に損傷はなかった。結腸にも異物塊を認めたが爆発を避け,電気メスを用いずに結腸壁を切開し異物を除去した。爆発の原因として,細菌による可燃ガス産生や胃酸と金属製異物の化学反応による水素ガスの発生が疑われた。消化管異物に対する手術時,消化管の切開には原則として電気メスを使用するべきではないと考えられた。