救急救命士が指導医の指示の下にCPA症例に対して特定行為を行えるようになり,とりわけ気道確保はCPA症例のほぼ全例に行われているが,その実態を検証した報告は少ない。そこで,救命士へのアンケート調査,搬入時の医師による換気状態の評価と腹部単純レントゲン写真の消化管内のガス量から,50例のCPA症例の気道確保と換気状況を前向きに検討した。用手的気道確保は6例,EGTAは6例,LMは38例であった。EGTAかLM使用例で記載のあった38例では全例が1回で挿入できたことより,挿入手技に問題はないものと思われた。換気状況の修正評価では36/43(83.7%)が良と評価され,修正評価と医師評価は19/24(79.2%)で一致した。消化管内ガス量からは,上部小腸型が最も確実な換気状態を反映し,全小腸型では一部の換気不良例が,胃内限局型では理想的に換気がなされたか,全く換気ができていなかった症例に三分される可能性が示唆された。