2023 年 33 巻 2 号 p. 186-191
多種多様な学術資料情報の整理・公開を目的として,学術機関を中心にこれまで多くの学術資料デジタルアーカイブが構築されてきた.その一方で,学術資料デジタルアーカイブの中長期的な継続性に着目した場合には,研究プロジェクト終了後のサイト閉鎖やメンテナンスの放棄など,解決すべき課題が存在することは経験的に明らかである.学術資料デジタルアーカイブに対して,単なる資料情報公開の場としてのみではなく,次世代に資料情報を伝承するためのプラットフォームとしての役割を期待するためには,今後10年単位でどのように公開状態を維持し資料情報の更新・修正機能を実現しつづけるか,といった継続性・持続性に主眼をおいた“強靭さ“に関する議論が必要である.本報告では,現在複数の専門家と連携して取り組んでいる“強靭な“学術資料デジタルアーカイブの実現について論じる.