2018 年 29 巻 2 号 p. 69-78
筆者と共同研究者らは Lactococcus lactis subsp. cremoris H61 について、加熱処理をした菌体を老齢期に骨粗鬆症を発症する老化促進モデルマウスに投与すると、老化の進行に伴う大腿骨骨密度の減少の抑制や皮膚の劣化を軽減するなどの老化抑制作用を有することを見出した。ヒトにおいては、H61 株で製造したヨーグルトや加熱処理菌体の摂取による肌の状態の改善を報告している。本稿では H61 株の前述の機能について、詳しい作用、メカニズム解析の進捗状況に加え、今後の展開について述べる。