流通研究
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生産財におけるブランド・ロイヤルティの先行要因に関する経験的研究
―買い手企業の知覚から見た「ユーザー視点」の重要性―
崔 容熏
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2014 年 17 巻 1 号 p. 23-49

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抄録
 本研究は生産財におけるブランド・ロイヤルティの形成に影響を及ぼす要因を実証的に分析したものである。消費財一般のブランドとは違い、生産財の場合、売り手企業と顧客企業以外に「顧客企業の顧客」という第三者が存在する。特定の部品・素材が完成品に含まれていることを彼らがどのように評価するかという部分が、顧客企業が特定の部品・素材に対するブランド・ロイヤルティを形成する際に影響を及ぼすだろうというのが、本研究の着目点である。生産財の買い手企業 124 社から収集したデータをもとに検証を行った結果、「顧客企業の顧客」が特定部品・素材の含有を高く評価すると顧客企業が知覚した場合に、当該部品・素材に対する顧客企業のブランド・ロイヤルティは高まるという効果が経験的に確認された。また、その効果の強弱は、完成品に占める部品・素材の重要度という調節変数により異なるという分析結果も示された。
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© 2014 日本商業学会
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