日本栄養・食糧学会誌
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総説
抗肥満性ホルモンの発現制御に関する分子栄養学的研究
(平成28年度日本栄養・食糧学会奨励賞受賞)
清水 誠
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キーワード: 小胞体ストレス, FGF21, FGF19, FGF15, ATF4
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2016 年 69 巻 6 号 p. 277-282

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抄録

肥満をはじめとする生活習慣病は心疾患など重大な疾患に繋がる。FGF19とFGF21は, それぞれ小腸と肝臓で選択的に発現し, 抗肥満効果を有するホルモン様因子である。本研究では, FGF19FGF21の新たな発現制御機構の研究を通して, 生活習慣病予防に寄与する食品成分の研究基盤の確立を目指した。小腸細胞の実験より, FGF19は小胞体ストレスにより発現が制御され, その応答性転写因子ATF4の新規標的遺伝子であることを見出した。一方, FGF21を解析した結果, FGF19と同様にATF4による発現制御を受けることを見出した。ATF4は小胞体ストレスに加え, 様々な刺激で活性化される。培養細胞とマウスを用いた実験の結果, FGF19FGF21はそれぞれ選択的な発現制御を受けることを示した。以上の研究成果から, 転写因子ATF4がFGF19FGF21の新たな発現制御因子であることが明らかとなり, 生活習慣病予防に対する新たな標的因子である可能性を示した。

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© 2016 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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