コレステロール (CHOL) 代謝改善ペプチドであるラクトスタチン (IIAEK) を牛乳β-ラクトグロブリンから世界に先駆けて発見した。ラクトスタチンはヒト肝臓細胞HepG2において, 新規Caチャネル関連シグナルを介してCHOL分解系の律速酵素CHOL 7α-水酸化酵素 (CYP7A1) 遺伝子を活性化した。IIAEKは腸アルカリ性ホスファターゼを受容体としてCHOL吸収抑制作用を発揮した。新規リン脂質結合大豆ペプチドを含有する特定保健用食品は高CHOL血症患者のCHOL代謝を改善した。世界初の大豆由来CHOL吸収抑制ペプチド (ソイスタチン: VAWWMY) を発見し, ペプチドアレイによる高機能化に成功した。牛心臓タンパク質由来の新規CHOL代謝改善ジペプチドFPを発見した。FPはペルオキシソーム増殖因子活性化受容体のリガンドとなり, PepT1を媒介してCHOL代謝改善作用を発揮した。プロタミン由来の新規CHOL代謝改善トリペプチドRPRは抗肥満作用や抗脂肪肝作用を発揮した。CHOL代謝改善ペプチド研究のより一層の発展のためには, ヒト試験, 作用機作の分子レベルでの解明 (標的分子特定を含む) や製品化が必要である。