近年, 慢性的な炎症はがんや糖尿病などの種々の疾病発症に繋がることが明らかにされていることから, 過度な炎症応答の抑制および炎症の慢性化を抑制することが「健康維持・増進」の基本戦略であると言える。我々が日々口にする食品には様々な食品成分が含まれており, そのそれぞれが特徴的な活性を有すると考えられる。経験的に健康増進に寄与すると言われている食品も存在するものの, その機能性発揮に寄与する実行分子や詳細な分子メカニズムについては未だ不明な点が多い。筆者らはこれまで特に食品中に含まれる低分子化合物に着目し, 生体成分であるタンパク質と低分子食品成分の相互作用を介して発揮される食品成分の炎症抑制メカニズムについて解析してきた。本稿では, これまでに標的タンパク質が同定されているキャベツ由来のイベリンと, ターメリック由来のクルクミンによる炎症抑制機構について紹介する。