2024 年 77 巻 5 号 p. 345-352
糖尿病治療において, 食事療法は必要不可欠であり, 栄養素のインスリン分泌や血糖調整への関与を理解することは重要である。インスリン分泌は, 惹起経路 (triggering pathway) と代謝性増幅経路 (metabolic amplifying pathway), 神経・ホルモン性増幅経路 (neuro-hormonal amplifying pathway) の3つにより調整されている。惹起経路についてはグルコースがその主役となるが, 脂肪酸についてはインクレチンを介した増幅経路に深く関わるとされている。糖尿病はこれらインスリンの絶対的・相対的作用不全により生じる。食後血糖の上昇を防ぐための方法として, グリセミックインデックス (GI) 値の低い食品を選択すること, 特に1型糖尿病に関しては, カーボカウントによる摂食時のインスリン投与量の調整が良好なコントロールのために必要とされるが, 実際には脂質, タンパク質なども複雑に血糖調節に関わっており, 限界がある。インスリンの種類も多く, 場合によっては患者の食生活に合わせた選択も必要になると思われる。