肝臓をはじめとする末梢組織は現在の代謝の状況を, 神経経路あるいは血管経路を介して, 中枢神経系に伝達している。それゆえ, 摂食リズムに応答した末梢組織の生物時計が, エネルギー代謝調節を含む脳機能に影響する可能性が考えられる。加えて, 食事リズムが脳機能や世代を越えて影響する可能性がある。一方で, 食事のリズムよりも, イベント後の食事タイミングが脳機能に影響を及ぼす可能性も示唆されている。本稿では, 栄養を摂取するリズムやタイミングが, 中枢性代謝調節システムや情動行動など, 脳を介する表現型にどのように影響するのかについての生理学的機序を, 筆者らの研究結果を交えて紹介した。このような中枢での変化が, 生体恒常性にとって必要不可欠であるのか, 2次的な影響なのか, 今後はその生理的意義について解明する必要がある。また, 食事タイミングや世代を越えての影響など, 時間の概念を広く捉えた「時間栄養学」の発展も期待される。