日本栄養・食糧学会誌
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ハマチの部位別トコフェロール含量ならびにビタミンAおよびDとの関連性
牛草 寿昭丸山 武紀兼松 弘新谷 勳松本 太郎
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1986 年 39 巻 1 号 p. 55-58

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抄録
北日本地方を除く9水域より採捕後問もないハマチ計3尾 (養殖魚: 体長55~64cm, 雄5, 雌5; 天然魚: 体長76~77cm, 雄2, 雌1) を入手し, これらの種々の組織に含まれるTocをHPLCで分析した。また合わせて肝臓および肉組織に含まれるビタミンAおよびDもHPLCで分析するとともに脂質含量も測定した。
1) ハマチ組織のToc含量は, 同一組織でも試料魚による個体差があるものの, 一般に魚体の大きさと関連性があることを示した。また, 肝臓中のToc含量は他のどの組織より高い傾向がみられ, その傾向はとくに最も大型の天然魚で顕著であった。
2) 普通肉および肝臓中のToc含量はいずれも体長と相関があり, 魚体が大きくなるほどToc含量も高くなることを示した。しかし, 組織中のToc含量はいずれも雌雄間にほとんど差がないように思われた。
3) 肝臓および肉組織では, 脂質の多いものほどToc含量が高い傾向がみられた。また, これらの組織においてビタミンAが多いものほどToc含量が高くなる傾向がみられたが, ビタミンDではその関連性が薄かった。
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