日本栄養・食糧学会誌
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加水分解酵素による米ヌカ結合型ナイアシンの可溶化と遊離
安喜 秀己, 宮本 悌次郎
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1986 年 39 巻 6 号 p. 473-478

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抄録
穀類に存在する結合型ナイアシンの難利用性の原因を明らかとするために, 米ヌカを試料として, 各種加水分解酵素のナイアシン可溶化効果および結合型ナイアシンの有効化を検討し, 効果の認められたセルラーゼとエステラーゼに対する結合型ナイアシンの挙動をDEAEーセルロースイオン交換カラムクロマトグラフィーで示した。
1) 米ヌカに至適条件で酵素を作用させた結果, セルラーゼ, タカジアスターゼ, エステラーゼで可溶化率が高かった。結合型ナイアシンの有効化はセルラーゼ, プロテアーゼで高かったが, いずれもアルカリ分解には及ばなかった。また, ヘミセルラーゼの効果は最低だった。
2) 最も効果のあったセルラーゼを反応させた後, さらに他の加水分解酵素を作用させた結果, 第2段階にエステラーゼを作用させた場合でナイアシンの可溶化および有効化に効果が認められた。
3) 米ヌカ水抽出物のクロマトグラフィーで, 結合型ナイアシンが溶出する非吸着部と遊離型ナイアシンが溶出する吸着部の総ナイアシンの比は, 5: 4であった。
4) 米ヌカのセルラーゼ処理物のクロマトグラフィーでは, 結合型ナイアシンの大部分が吸着部遊離型ナイアシンに転換した。
5) 米ヌカにセルラーゼーエステラーゼを連続作用させると, ナイアシンの大部分は遊離型あるいはアルカリ分解せずに本定量菌に利用される型 (仮性遊離型ナイアシン) に転換した。
6) セルラーゼ処理物の非吸着画分にエステラーゼを作用させると, この画分の約30%のナイアシンが遊離型となって吸着部に移行し, 非吸着部に残ったナイアシンも仮性遊離型ナイアシンに変換した。
以上より, 米ヌカ結合型ナイアシンの難利用性の一因柔, セルロースにあると考えられる。穀類中結合型ナイアシンの有効利用のためにセルラーゼ続いてエステラーゼ処理を行ない, 可溶化および遊離化させるプロセスを提案する。
終りに, 本研究の実施にあたり, 米ヌカを提供していただいた毛利精穀研究所に厚くお礼申しあげます。
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