日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
Print ISSN : 0287-3516
ISSN-L : 0287-3516
飲水量と負荷食塩がSHRの血圧と尿カリクレイン分泌に及ぼす影響
河野 節子青木 みか堀 清記
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 39 巻 6 号 p. 465-471

詳細
抄録

1) 飲水制限により, 負荷食塩のいかんにかかわらず体重増加抑制をみ, 尿中カリクレイン排泄量の減少をみた。血圧は対照群にくらべ有意の差は認められないものの, 上昇傾向にあった。
2) 尿カリクレインの分泌促進機構には, アルドステロン, 血圧上昇, 細胞外液量の増大があるが, 食塩の負荷条件, 飲水量により, 尿中カリクレイン排泄量は異なった。尿カリクレイン分泌は負荷食塩により増加するが, 負荷食塩量がほぼ同じとき, 食塩水で投与するほうが高食塩食で投与するより, 血圧上昇, 尿中カリクレイン排泄量の増加作用が強かった。
3) 血漿アンギオテンシンII濃度は, 飲水制限により増加した。
4) 高食塩水投与時は尿量と尿中カリクレイン排泄量, 尿中Na排泄量と尿中カリクレイン排泄量, 血圧と尿中カリクレイン排泄量との間で有意の正の相関を示した。しかし, 高食塩食群ではこれらの測定値間には正の相関傾向を認めたが, 相関は有意差ではなかった。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top