日本栄養・食糧学会誌
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加熱による油脂の劣化および油脂中のトコフェロールの分解に対するアルミはくによる空気の遮断効果
梶本 五郎嘉ノ海 有紀田中 恵美子吉田 弘美芝原 章
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1992 年 45 巻 3 号 p. 285-290

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抄録
アルミはくで油脂表面に接する空気面積の割合をかえて加熱後の油脂の性状とトコフェロール (Toc) の分解との関係について検討した。
大豆油, 大豆硬化油, なたね油, オリーブ油および鯨油のいずれもアルミはくで被覆したほうが被覆しない油脂に比ベアニシジン価, カルボニル価, 酸化酸量 (石油エーテル不溶性の酸化脂肪酸) はともに低いが, 酸価は逆に高くなった。Tocの残存率は, 窒素ガス充填被覆油脂が最も高く, ついで, 被覆100%, 50%油脂の順で, 無被覆油脂が最も低かった。よってTocの分解は油脂の加水分解の生成物である遊離脂肪酸よりも, 熱酸化生成物である酸化酸およびカルボニル化合物の影響を強くうけるものと思われる。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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