抄録
発酵飲料ケフィールの飲用適期とされる培養24時間後の発酵液から球菌3株, 桿菌10株および酵母18株を純粋分離し同定した。その結果, これらは乳酸球菌Streptococcus lactis (3株), 乳酸桿菌Lactobacillus fructivarans (4株), 同類縁 (3), Lactobacillus hilgardii (1株), 同類縁株 (2株), および酵母Kluyveromyces marxianus var. marxianus (18株) であることがわかった。このうち, 乳酸桿菌はいずれもラクトース非発酵性の特徴をもつことがわかり, ケフィールの発酵は, はじめに酵母および乳酸球菌の旺盛な発育と酸, エタノール, 炭酸ガスの生成があって環境が整えられた後に乳酸桿菌が増殖し, 独特の香味ある発酵乳とすることが確かめられた。
本論文投稿にあたり, 北海道大学農学部桐山修八教授にお目通しをいただいた。ここに厚く御礼申し上げる。