小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
乳幼児歯科保健活動における母親への齲蝕活動性試験の応用
柚木 弘子宮城 淳中村 隆子板谷 千穂吉田 登志子松村 誠士下野 勉
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 38 巻 3 号 p. 488-493

詳細
抄録
岡山県浅口郡寄島町において,乳児健診(3か月,6か月,9か月,12か月)幼児健診(1歳6か月,2歳,2歳6か月,3歳)の全8回をすべて受診した母子98組を対象に口腔内健診,齲蝕活動性試験カリオスタット(CAT),生活習慣アンケートを行った。そして,3歳児の齲蝕の有無と各年齢における生活習慣との関係を調査・分析し,次の結果を得た。
1)1歳6か月から3歳における小児の生活習慣のうち「間食時間の規則性」,「間食の回数」,「食べ遊び」が3歳時の齲蝕の有無と関係があった。
2)「3か月児の母親CAT値」で母高CAT群(CAT≧2.0)は母低CAT群(CAT≦1.5)に比べ3歳時の齲蝕罹患状態において有意な差がみられた(p<0.001)。以上より,3か月児の母親のCAT値を用いて,齲蝕に対するスクリーニングを行い,「間食の規則性」「間食の回数」「食べ遊び」の3項目に関しては,乳児期より母親に対して指導を行う必要性が示唆された。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top