日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム2:再発ALL治療の現状と未来
再発ALL治療の現状と未来
豊田 秀実
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2022 年 59 巻 2 号 p. 135-139

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抄録

先進国における小児急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia, ALL)の5年生存率は,治療骨格の最適化や層別化治療の導入などにより90%を達成した.しかし依然約15%の症例で再発し,初発時の治療が強化されている分,再発例の治療抵抗性は高くなっている.小児の第一再発ALLのうち,化学療法での治癒も見込め,世界的標準治療が確立されつつある標準リスク群や中間リスク群では70%を超える4年無イベント生存率が期待できる一方,標準治療が存在せず,ほぼ全例で造血細胞移植が行われてきた高リスク群の3年無イベント生存率は30%以下と満足できるものではない.近年,小児再発ALL治療においてChimeric Antigen Receptor-T細胞療法やBlinatumomab,Inotuzumabといった革新的な新規医薬品の導入が進んでいるが,現在のところ治療反応性に影響を与える白血病要因・免疫環境要因・患者要因は同定されておらず,これら新規医薬品の適正使用の確立が望まれる.本稿では,小児再発ALLに対する治療の現状をふまえ,日本における治療の将来について概説する.

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© 2022 日本小児血液・がん学会
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