日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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CGS遺伝子発現の転写後自己制御機構:植物間での保存性
*尾上 典之長尾 信宏川崎 大輔尾之内 均内藤 哲
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p. 787

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抄録
シスタチオニン γ-シンターゼ(CGS)は植物のメチオニン生合成の鍵段階を触媒する酵素である.シロイヌナズナのAtCGS1発現はmRNAの分解段階でメチオニンの代謝産物のS-アデノシルメチオニン(SAM)によって負のフィードバック制御を受けている.これまでにSAMによりAtCGS1第1エキソン内で翻訳停止が誘導され,それに引き続いてmRNA分解が起こることがわかっている.この制御にはAtCGS1第1エキソンが必要十分な領域であり,特にAtCGS1第1エキソン中の14アミノ酸から成るMTO1領域が重要であることが示されている.しかし,これまでこの領域は植物において広く保存されているものの,SAMによる転写後制御が他植物でも起こるかどうかは不明であった.
そこでシロイヌナズナ以外のモデル植物のAtCGS1第1エキソンに相当するcDNA領域を単離して,シロイヌナズナのプロトプラストを用いた一過的発現系とコムギ胚芽抽出液由来の試験管内翻訳系を用いて解析を行った.その結果,モデル植物のAtCGS1第1エキソン相当領域の下流にレポーター遺伝子を繋ぐと,AtCGS1第1エキソン同様にSAM添加時にレポーター活性が低下した.また試験管内翻訳系での解析により翻訳停止が起こっていることもわかった.これらの結果より,CGSのSAMによる転写後制御は植物間で保存された機構であることが示唆された.
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© 2007 日本植物生理学会
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