抄録
製品のテクスチャを設計する場面において,テクスチャの深さ方向の加工領域の制限により所望の「凹凸感」を得られない場合がある.この場合,テクスチャの深さ以外の要素によって所望の凹凸感を知覚させる方法を検討する必要が生じるが,テクスチャの深さ以外の要素と凹凸感の関係を明らかにした研究は見当たらない.
そこで本研究では,指紋間隔や側抑制に着目し,テクスチャの表面性状が凹凸感に与える影響について仮説を立てた.また,機械受容器の周波数応答特性に着目し接触運動条件が凹凸感知覚に与える影響についても仮説を立てた.テクスチャサンプルとして平行溝付きのアクリル平板を用い,パッシブ・ダイナミックタッチ条件で評価実験を行った.実験の結果より凹凸感知覚の要因としてテクスチャの「溝間隔」,「溝深さ」,接触運動条件の「押し込み量」,「速度」,「切返し部の有無」が寄与しており,特に「溝間隔」,「溝深さ」,「押付け量」が支配的であることを明らかにした.これにより,テクスチャの深さ方向に加工制限がある場合においても,溝間隔によって凹凸感を操作可能であることを明らかにした.