抄録
本研究は,小・中・高生を対象とした「生きる力を育む芸術・デザイン思考による創造性開発拠点の形成」事業の中の1プロジェクトとして進めている.本稿では,児童がチーム協働で問題解決に取り組む手法やプロセスを習得するための授業やワークショップのプログラム開発を目的として,こどもワークショップ「世界一遅い球転がしに挑戦しよう!」を4回にわたって実施してきた経過をまとめている.本ワークショップの目的は以下の3点である.(1)与えられた素材だけを用いて創意工夫をすることで,いかに球を遅く転がすか という課題に対する解決力を育む. (2)3~4人のチーム編成で行うことにより,他者との協調性を持ちながら目標に向かって前に進む力を身につける.(3)最後に全チームのスロープを繋げて球転がしを行うことにより,皆が力を合わせることで大きなスケールのことが成し遂げられる達成感と自信を獲得する. 最後に,ワークショップ実施の考察を,(1)参加者の組み合わせによる成果の差異,(2)ワークショップを通したチームの形成,(3)制作過程の観察と気づき,(4)ファシリテータを務めた学生の学び の4つの観点からまとめている.