耐候性鋼は緻密な錆を鋼表面に形成し、内部の腐食を抑制することができる。加えて耐候性鋼の緻密な錆は、経年変化によって魅力的な色の変化をする。そこで本稿では、これらの特徴を活かし、耐候性鋼の錆の経年変化を利用した製品のテクスチャを提案することを目的とした。プロダクトやユーザに合わせた様々な製品のニーズに対応するため、錆の進行を部分的に制御する方法を検討した。錆の進行を遅らせる方法として、鋼表面に撥水加工を施す方法と、加熱をして酸化皮膜を生成する方法を試みた。その結果、撥水部分と酸化皮膜部分の錆の進行を遅らせることができた。一方、促進剤を使用すると、錆の進行が加速することが確認された。また抑制方法と促進剤を組み合わせることで部分的な錆の進行も可能になることが示唆された。この結果を応用して、錆の経年変化を利用した質感を提案し、製品への応用の可能性を示すことができた。