主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第41回年会 香川大会
開催日: 2017/08/29 - 2017/08/31
本研究は,旧制中学校の学科「物理及化学」の化学領域に着目し,化学生徒実験に対する棚橋源太郎の考え方を明らかにし,それが化学実験書にどのような影響を与えたのかを明らかにすることを目的とした。まず,棚橋の著した『新理科教授法』と『化学実験案内』を分析し,次に,『化学実験案内』と三冊の化学実験書を比較・分析した。その結果,化学生徒実験に対する棚橋の考え方として,次の四点が指摘できた。一点目は,生徒自らが実験を行うことを通して,科学の方法を学ぶことを重視している点である。二点目は,生徒実験において目的を明確にすることを求めている点である。三点目は,生徒が実験に関する内容を記述することを重視している点である。四点目は,実験のスキルを身に付けさせる実験題目から始めている点である。化学実験書は棚橋のこのような考え方に影響を受けていると考えられる。