本研究の目的は、近年増加・多様化している貨客混載事業に関し、事業の目的や関係事業者の構成、事業の特徴を、現段階で把握しうる国内事業について調査・分析することである。具体的にはインターネット検索による情報収集と事業者への問い合わせにより、事業特性の全国的傾向を把握した。この結果、1)2017年の道路運送法改正により事業が増加し、さらに事業目的や利用交通手段の多様化が進んだこと、2)事業目的は物流効率化と公共交通維持が多く、過疎地域が関わる事業ではその傾向がより顕著であること、3)行政が参画する事業は限定的であること、4)宅配大手3社が実施する事業の特性も概ね全体的な特性傾向と同じであるが過疎地域に関わる事業がより多いこと等を明らかにした。