脳卒中
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脳室周囲高信号域 (PVH) の存在と虚血および痴呆との関係について
多発性脳梗塞例における脳循環代謝面からの検討
酒寄 修小宮山 佐北村 伸赫 彰郎
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1993 年 15 巻 3 号 p. 176-188

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抄録

多発性脳梗塞例 (著明なPVHを有するPVH (+) 群17例, PVHのないPVH (-) 群16例) を対象とし, 15O, 11CO吸入法を用いたPETにより, PVHの存在と, 虚血および痴呆との関係について脳循環代謝面から検討した.
PVH (+) 群におけるCBFの低下とOEFの上昇は非痴呆例におけるPVH領域, 前頭葉帯状回領域ですでに認められ, 痴呆例ではPVH領域, 皮質各領域におけるCBFの低下と, PVH領域および前頭葉を中心としたCMRO2の低下, OEFの上昇を認めた.その変化はPVH領域に最も著しかった.またPVH (+) 群, 特にPVH領域のCBVおよびCBF/CBVは低値を示した.
以上は多発性脳梗塞例におけるPVHの存在が, 同部位および皮質領域を含めた広範な脳動脈硬化性変化に由来する, 脳組織低灌流状態の存在を反映することを意味している.さらに持続する低灌流状態は脳組織に虚血性変化をもたらし, 結果として脳神経機能を低下, 痴呆発現を助長するという機序を示唆する結果であると考えられる.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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