脳卒中
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小脳梗塞
保存的治療の限界と減圧術の適応について
木村 知一郎上田 孝脇坂 信一郎
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1993 年 15 巻 5 号 p. 374-379

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抄録

最近, 我々は3例の小脳梗塞を経験し, 減圧術により良好な結果を得た.症例1と3は59歳と79歳の男性で, ともに発症後5日目にJCS3桁まで意識レベルが低下し, 脳ヘルニアが進行しつつあったが, 側脳室ドレナージにより救命できた.症例2は61歳男性で, 神経学的症状の進行やCTスキャンでの増悪所見を認め, 拡大後頭下開頭による減圧術を行い, 短期間で独歩退院した.小脳梗塞は, 初期に典型的な巣症状や重篤さを欠くことが多く, 確定診断が得にくいが, 適切な脳外科的治療により, 生命予後のみならず機能予後をも改善しうるので, 意識レベルをはじめとする神経学的所見やCTスキャン等の画像の変化を注意深く観察することが必要である.
最近, 我々は3例の小脳梗塞を経験し, 外科的治療を行ったので報告した.3例とも初期には典型的な巣症状や重篤さを欠いたが, 次第に神経学的症状とCT所見が増悪したため, 2例に側室ドレナージを, 1例に開頭による減圧術を行い, いずれも軽快せしめた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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