脳卒中
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手掌・両側口症候群を呈した橋被蓋傍正中部出血の1例
発症機序に関する考察
鶴屋 和彦大星 博明井林 雪郎佐渡島 省三藤島 正敏
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1993 年 15 巻 5 号 p. 386-391

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抄録
症例は56歳, 男性.突然の左手指, 両側口周囲のしびれ感を主訴として入院.10年前にも両側口周囲に同様のしびれ感が出現している.頭部CTおよびMRIで右橋被蓋部に微小な出血巣を認め, 同病変による手掌・両側口症候群と診断した.本症候群の発症機序として, 患側の内側毛帯と三叉神経毛帯腹側路に加えて, 同側の三叉神経主知覚核から対側の三叉神経毛帯腹側路に入る線維が障害されて, 両側口周囲に感覚異常をきたすと考えた.また, 同部の左腹側に陳旧性小出血の所見が認められ, 10年前の発作の責任病巣と思われた.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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